張栩・棋聖が就位式で大震災へ1500万円の義援金寄付を表明
3月11日に行われた第35期棋聖戦7番勝負の第6局で、挑戦者の井山裕太・九段を制し、シリーズ通算成績4勝2敗で初防衛を果たした台湾出身の囲碁棋士、張栩・棋聖(写真左1)の就位式が、4月19日に東京都内のホテルで、読売新聞社、日本棋院、関西棋院の主催により開催された。台北駐日経済文化代表処の馮寄台・駐日代表(左2)は来賓祝辞の中で、「私が日本に代表として着任してから張栩さんの各種タイトル就位式に出席するのは今回で11回目となる」と強調した。また、今回の東日本大震災についても言及し、「我々台湾人は日本の痛みを深く感じている。私は台湾の政府と国民を代表し、日本の早期の復興を祈っている」と述べた。張栩・棋聖も謝辞の中で「今、日本全体が苦しい局面にある中で、心折れずに一人一人が自分の役割で最善を尽くすことができれば、きっと良くなると信じていく気持ちが大事だと思う。今回の棋聖戦の賞金の三分の一の額(1,500万円)を震災の義援金として寄付することに決めた」と述べ、会場から大きな拍手が沸いた。さらに、「囲碁は日本のすばらしい文化であり、どんな時代にあっても人の心を豊かにできるものだと信じている。これからも囲碁棋士という職業に誇りを持ち、魂を込めて良い対局をし、囲碁界から少しでも明るいニュースを発信できるよう精進していきたい」と謙虚に抱負を語った。