高雄の玄関となっていた老駅舎-高雄願景館
南国の大都会・高雄市。その玄関口として君臨してきた老駅舎が歴史建築として保存されています。高雄願景館と呼ばれているこの建物はかつての高雄駅。現在は高雄市の広報センターとして使用されています。1941(昭和16)年6月に竣工した建物で、決して大きな建物ではありませんが、その重厚な造りは一見の価値があります。これは帝冠様式と呼ばれるもの。鉄筋コンクリート造りで、箱形の建築母体に和風の瓦屋根を載せたスタイルとなっています。戦時体制下の日本にだけ発達した独特な様式です。駅舎としては2002年春に現役を退きましたが、高雄市の歩みを伝える歴史の証人として保存が決まり、解体しないままの状態で82メートルほど移動されました。周囲は整備されており、記念撮影を楽しむ人々が絶えません。高雄を訪れたら、ぜひ足を運びたいランドマークです。