雨霧に煙る平渓の老街
台北に近い渓谷を走る平渓線。その沿線には十分、平渓、菁桐と、三つの老街(古い家並み)が続いています。それぞれが独自の景観を誇っており、週末を中心に多くの行楽客で賑わいます。その中でも最近、にわかに人気があるのが平渓老街です。ここは駅から坂を下りていった先に広がっています。素朴な情緒が感じられる家並みが続き、路地の中には懐かしさが漂っています。昔ながらの雑貨店や屋台料理を並べている軽食店、そのほか、年季の入った金物屋や呼び込みに熱心なお土産屋など、思いのほか賑やかです。この時期はあいにくの雨模様が続きますが、ここ平渓老街の場合、そういった天気の時にこそ、際だった風情を漂わせます。その情景は多くの人々を惹きつけており、あえてこの時期を狙って訪れる人もいるほどです。