伝統文化の復興に努めるシラヤ族の祭典
台湾島に漢民族がやって来る前、台湾南部の平原には「シラヤ族」と呼ばれる人々が暮らしていました。彼らは「平埔族(平地原住民族)」の一部族であり、早くから漢民族の影響を受け、独自の文化を失っていたと伝えられます。しかし、近年は部族文化を再興させる試みが活発となっており、伝統的な祭典である「夜祭」も再び行なわれるようになりました。これは旧暦9月中旬から10月中旬にかけて催され、中でも台南市大内区にある頭社集落で開かれる「頭社太祖夜祭」が知られています。この祭りは「公廨」と呼ばれる集会所で行なわれます。ブタが供えられるほか、中心に「太祖」と呼ばれる神様が宿る「壺」が置かれるのも特色。白装束を身につけた人々は円陣を組み、夜通し踊り続けます。哀愁を帯びたシラヤ語の歌が吟唱されると、その独特な雰囲気に圧倒されるはずです。