澎湖吉貝嶼の産業遺産~石滬
台湾海峡に浮かぶ澎湖諸島はどの島も漁業で生活を支えてきました。ここに自然石を用いた「石滬」という漁労施設があります。これは古くから伝わる漁法の一種で、海中に石垣のようなものを設け、潮の干満を利用して回遊する魚を捕獲するというもの。満潮時には水没してしまいますが、干潮時には防波堤のような状態になります。現在、澎湖諸島には総数574個あまりが残っており、そのうちの88個が吉貝嶼(島)の周囲にあります。石滬に類するものは台湾以外でも見られますが、吉貝は世界一の密度を誇っています。当地の住民にとっては生活に欠かせないものとされ、吉貝は「石滬の故郷」とも呼ばれています。満潮時には海中に没して見えなくなるので、事前に潮の干満時刻をチェックしておきましょう。保存状態も良好で、ぜひとも眺めてみたい産業遺産です。ツーリストセンターにも石滬についての展示や紹介があります。