媽祖信仰の総本山を訪ねる~北港朝天宮
台湾は信仰文化においても独特な文化を誇ります。庶民信仰として篤く慕われている媽祖はその代表格。航海の女神と称され、全島各地に媽祖を祀った廟が存在します。ここ雲林県北港にある朝天宮はそれらの総本山の一つとされています。1694年に臨済宗の僧侶が福建から持ちこんだ神像を祀ったのが起源と言われています。北港一帯はかつて「笨港」と呼ばれていました。無数の船舶が往来し、貿易港として繁栄を極めていた歴史をもちます。19世紀半ばには土砂の堆積が進み、港湾としての役目は失われましたが、その後も媽祖信仰の聖地としては栄華を保ってきました。廟の前は賑やかな門前街が続き、大勢の信者や参拝客が訪れます。通りには郷土銘菓や雑貨を扱う店のほか、庶民料理の屋台などが軒を連ねます。特産品である黒皮ピーナッツ「黒金鋼」や、行列ができる老舗のアヒル肉料理は見逃さずに賞味したいところです。古き良き風情が感じられる北港の門前街。参拝後はのんびりと散策を楽しんでみてください。