台湾北部にある不思議な道教空間―石門金剛宮
新北市石門区にある道教寺院「石門金剛宮」。ここは道教だけでなく、仏教や儒教、そしてバラモン教の教えを広める場所として1986年に建立されました。広大な敷地にはさまざまな神様が祀られています。タイでよく目にする巨大な涅槃仏や四面仏(四つの顔があり、福・禄・寿・喜を示す)、さらに「六十甲子太歳」というコーナーには「六十干支(十干と十二支を組み合わせた60通りの年の数え方)」を担当する神様が並んでいます。その中にある「甲子太歳金辨大将軍」は目から手が伸びた奇妙な風貌をしており、インパクトのある姿に誰もが驚かされます。これは「手の届く範囲ならどこでも見える」ということを表現しているのだそうです。このほか、五百羅漢像を祀った薄暗い部屋や、地獄での懲罰を人形を用いてリアルに再現したコーナーなどがあり、どれもが異彩を放っています。摩訶不思議な世界を一目見ようと日本から訪れる方も少なくありません。