老家屋に刻まれる蓄音機の調べ――聲音光年
台北市内の南東に位置する青田街。ここは老樹が生い茂る閑静な住宅街で、国立台湾師範大学(旧台北高等学校)や国立台湾大学(旧台北帝国大学)の教職員が数多く暮らしていました。現在も戦前に建てられた家屋が残されており、喫茶店やギャラリーなどとして利用されています。ここは戦後は交通部の官舎となっていましたが、その後長らく使用されていませんでした。2013年から歴史建築の保存運動を受けて修復工事が施され、現在はアンティークの蓄音機やスピーカー、音楽器材を展示する空間となっており、ミニ音楽会なども催されています。敷地は広々としており、庭には亜熱帯の植物が生い茂っています。室内で特筆すべきなのは、応接間だった部屋の壁です。美しい模様が入っていますが、これは壁紙ではなく、壁に直接模様を描いたもの。一見の価値があります。入場料は必要ですが、お菓子やお茶などが付いているので、ゆっくりと時間をとって見学したいものです。