北門広場で台湾の歩んだ道のりを感じる
清国時代の台北は周囲に城壁が設けられていました。朱色の壁が落ち着いた印象を与える城門で、独特な風格を漂わせています。台北城は東西南北に加え、小南門を合わせた合計五つの城門がありましたが、北門はその中で唯一、竣工時の姿を留めています。北門の正式名称は「承恩門」で、1884年に竣工しました。都市開発が進む中、その扱いについては議論が繰り返されましたが、文化財保護の観点から熱心な保存運動が起こり、1998年に国家が指定する古蹟に指定されました。現在は城門を中心とした空間が文化広場として整備されており、イベントなども開かれています。夜間はライトアップが施され、美しさを増します。散策スポットとしても親しまれ、夕刻を迎えると、夕涼みにやってくる人々でちょっとした賑わいとなります。